前立腺肥大は加齢とともに発症することが多く、特に夜間頻尿や排尿困難といった症状に悩まされる方が増えています。本記事では、前立腺肥大の症状、薬物療法や手術の選択肢、日常生活でできる対策について解説します。
前立腺肥大とは?
前立腺肥大(良性前立腺肥大症:BPH)は、前立腺が大きくなることで尿道を圧迫し、排尿のしづらさや頻尿を引き起こす疾患です。特に60歳以上の男性に多く見られ、進行すると排尿困難や残尿感、夜間頻尿が悪化することがあります。
前立腺肥大の主な症状
- 夜間頻尿(夜中に何度もトイレに行く)
- 尿意があるのに尿が出にくい
- 尿が出るまでに時間がかかる
- 尿の勢いが弱い
- 排尿後も尿が残っている感じがする
これらの症状が進行すると、排尿が完全にできなくなる「尿閉」のリスクが高まり、カテーテルを使用しなければならないケースもあります。
薬物療法の効果と注意点
前立腺肥大の治療は、薬物療法が第一選択となることが一般的です。代表的な薬の種類とその働きは以下の通りです。
薬の種類 | 主な効果 |
---|---|
α1遮断薬 | 前立腺や尿道の筋肉を緩め、排尿をスムーズにする |
5α還元酵素阻害薬 | 前立腺の肥大を抑え、長期的に改善する |
抗コリン薬 | 膀胱の過活動を抑え、頻尿を軽減 |
ただし、薬の効果が出るまでには時間がかかることがあり、数週間~数ヶ月の服用が必要です。
手術はいつ検討すべきか?
薬物療法で改善が見られない場合や、重度の尿閉、頻尿による生活の質の低下が続く場合は手術が検討されます。代表的な手術には以下のようなものがあります。
- 経尿道的前立腺切除術(TURP):前立腺の一部を削る手術
- レーザー治療:前立腺の組織を蒸散・切除する方法
- ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP):より大きな前立腺にも対応可能な手術
手術の適応については、医師と相談しながら慎重に決める必要があります。
日常生活でできる前立腺肥大の対策
日常生活での工夫によって、症状の悪化を防ぐことができます。
- 適度な水分補給(水分を控えすぎると膀胱の機能が低下するため、バランスが重要)
- 辛い食べ物やカフェイン・アルコールを避ける(尿道や膀胱の刺激を減らすため)
- 長時間座るのを避ける(前立腺への圧力を軽減するため)
- 骨盤底筋を鍛える運動(排尿をコントロールする筋肉を強化)
まとめ
前立腺肥大による夜間頻尿や排尿困難は、薬物療法や生活習慣の改善で多くの場合改善が見込めます。ただし、症状が重く、カテーテルが必要な状態が続く場合は手術も視野に入れることが重要です。
一人で悩まず、泌尿器科の専門医に相談しながら最適な治療を進めることをおすすめします。
コメント