中耳炎手術後に再び聞こえづらくなる原因と注意点

耳の病気

中耳炎の手術によって一度聴力が回復したものの、数年後に再び聞こえづらくなるというケースは珍しくありません。特にCT検査で「耳の骨の周囲に空気が溜まっている」と指摘された場合、耳の構造や中耳の状態に何らかの変化が起きている可能性があります。この記事では、中耳炎手術後に再び聴力が低下する原因や対処法について詳しく解説します。

中耳炎手術後の聴力低下の可能性

中耳炎の手術は、鼓膜の修復や耳小骨(音を伝える骨)の再建などを行うことで聴力の改善を目指します。しかし、術後10年近く経過してから再び聞こえにくくなることもあります。これは、手術で再建した構造が時間の経過とともに劣化したり、再び炎症が起きたりすることが原因の一つです。

例えば、鼓膜に再び穴が開いたり、耳小骨が固着して動かなくなると、音の伝達が悪くなり聴力が低下する可能性があります。耳の内部は非常に繊細な構造のため、わずかな変化でも聴こえ方に影響が出ます。

耳の骨に空気が溜まる「含気化」との関係

CTで「耳の骨の部分に空気が溜まっている」と言われた場合、これは「含気化(がんきか)」と呼ばれる現象である可能性があります。含気化は、耳の奥にある乳突蜂巣(にゅうとつほうそう)という空間に空気が入り込む状態のことを指します。

正常な範囲であれば問題ありませんが、感染や炎症が起きていると、空気の流れが悪くなったり、耳管(じかん:鼻と中耳をつなぐ管)の機能が低下して気圧のバランスが崩れることがあります。これにより中耳に負担がかかり、聞こえづらさを感じることがあります。

熱中症や体調不良との関連性

熱中症で救急搬送された際に耳の異常を指摘された場合、直接的な因果関係は少ないと考えられます。しかし、体調不良が続くことで血流や免疫バランスが崩れ、耳の炎症が再発しやすくなることがあります。特に脱水状態や血流の低下は、内耳(音を感じ取る部分)に影響を及ぼすことがあります。

また、熱中症の後に聴力低下を感じた場合、耳の血流障害や内耳のストレスが原因の可能性もあります。耳鼻科で聴力検査と併せて、内耳や神経の状態を確認することをおすすめします。

再手術が必要になるケースも

手術をした耳の聴力が再び落ちた場合、再手術が必要になることもあります。再手術では、再び耳小骨の再建を行ったり、鼓膜を補強することで音の伝達を改善する方法が取られます。ただし、すべてのケースで再手術が効果的というわけではなく、耳の状態や聴力の程度によって治療方針は変わります。

まずは耳鼻咽喉科(できれば耳の手術を専門とする耳科専門医)を受診し、CTや聴力検査をもとに再評価してもらうことが大切です。

まとめ:早めの検査と専門医の診察を

中耳炎手術後の聴力低下は、再発や耳の構造変化が原因で起こることがあります。耳の骨に空気が溜まっているという指摘も、耳管の働きや中耳の圧力バランスに関係している可能性があります。放置すると聴力の回復が難しくなる場合もあるため、早めに耳鼻咽喉科での精密検査を受けることをおすすめします。

耳の健康は日常生活の質にも大きく関わります。定期的な聴力検査や違和感があるときの早期受診を心掛けましょう。

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