お酒を飲んでも顔が赤くならない人は酔わないのか?アルコール耐性と酔い方の違い

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お酒を飲むとすぐに顔が赤くなる人もいれば、どれだけ飲んでも顔色が変わらない人もいます。この違いは一体何によるものなのでしょうか?顔が赤くならない人は本当に酔っていないのか、それとも違う形で酔っているのか、詳しく解説します。

お酒を飲んでも顔が赤くならない人は酔わないのか?

1. アルコール分解能力の違い

お酒を飲んだときの反応には、体内のアルコール代謝酵素が大きく関係しています。特に、アルコールを分解する酵素「アルコール脱水素酵素(ADH)」と、その代謝産物であるアセトアルデヒドを分解する「アルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)」の働きが重要です。

  • ALDH2の活性が弱い人:アセトアルデヒドが体内に蓄積しやすく、顔が赤くなる(フラッシング反応)
  • ALDH2の活性が強い人:アセトアルデヒドを速やかに分解できるため、顔が赤くならない

2. 顔が赤くならなくても酔っている

顔が赤くなるのはアセトアルデヒドの影響ですが、これは酔いの一つの指標に過ぎません。顔が赤くならないからといって、お酒の影響を受けていないわけではありません。

例えば、テンションが高くなる、動作が鈍くなる、判断力が低下するといった変化がある場合、それは酔いのサインです。アルコールが脳に与える影響は、見た目の変化とは関係なく現れることがあるのです。

お酒が弱い人と強い人の違い

1. 遺伝による影響

お酒の強さは遺伝的要因が大きく関与しています。特に、アジア人はALDH2の働きが弱い人が多く、日本人の約40%が「お酒に弱い体質」だとされています。親や家族がお酒に弱い場合、自分も同じ体質である可能性が高いです。

2. お酒の耐性は訓練で変わる?

お酒に強い人は「訓練の結果」だと思われがちですが、実際には酵素の活性は変えられないため、お酒が弱い人が無理に飲んでも強くなることはありません。むしろ、無理に飲むことで健康を害するリスクが高まります。

お酒の強い人が気をつけるべきこと

1. 飲みすぎのリスク

お酒に強い人は顔色が変わらないため、自分がどれくらい酔っているのか自覚しにくいことがあります。気づかないうちに大量のアルコールを摂取し、急性アルコール中毒のリスクが高まることもあります。

2. 健康リスク

顔が赤くなる人は飲酒量が少なくても不快感を感じるため自然にセーブできますが、お酒に強い人は大量に飲めてしまうため、肝臓や心血管系への負担が大きくなることがあります。特に、日本酒やテキーラなどアルコール度数の高いお酒を大量に摂取すると、長期的に健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

まとめ

お酒を飲んでも顔が赤くならない人は、アルコールの分解が早いためアセトアルデヒドが蓄積しにくい体質ですが、それでも酔わないわけではありません。顔色の変化がないだけで、脳や体はアルコールの影響を受けています。

一方で、お酒に弱い人はアルコールを無理に摂取するのではなく、自分の体質に合った飲み方をすることが大切です。お酒の強さには個人差があるため、無理せず楽しむことを心がけましょう。

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