同じ食材でも「種類や調理法によってアレルギー症状が出る・出ない」という経験をする方は少なくありません。特に妊娠中は体質の変化でアレルギーが出やすくなることもあるため、不安に感じるのは自然なことです。今回は蟹や茄子などで起こる食物アレルギーの仕組みや注意点について解説します。
同じ蟹でも種類によってアレルギー反応が違うことはある?
蟹アレルギーは一般的に「甲殻類アレルギー」として一括りにされますが、実際には種類ごとに含まれるタンパク質の構造が異なるため、ワタリガニでは症状が出るのにズワイガニでは出ないといったケースもあります。
これは「交差反応」と呼ばれ、全ての甲殻類で一律に症状が出るとは限らないのです。ただし今は軽症でも、将来的に別の種類にも反応する可能性があるため注意が必要です。
茄子で出る痒みと調理法の関係
焼きナスで喉の痒みが出るのに、麻婆茄子では平気というのは、茄子に含まれるアレルゲンが「加熱の仕方」で変性するためと考えられます。強火でしっかり調理するとアレルゲンが分解される一方、焼きナスのように半生に近い状態だと反応が出やすくなることがあります。
同じように、リンゴや桃で起きる「口腔アレルギー症候群」も加熱後は症状が出にくいことが多く、これと同じ現象と考えられます。
妊娠中に注意すべきアレルギー反応
妊娠中は免疫バランスの変化により、これまで大丈夫だった食材でも反応が出る場合があります。特に蟹などの甲殻類アレルギーは重症化するとアナフィラキシーを引き起こす可能性もあるため、油断せず慎重に対応する必要があります。
症状が軽度でも、口や喉の腫れ、呼吸のしづらさ、蕁麻疹などが出た場合はすぐに医療機関を受診することが大切です。
安全に食生活を送るための工夫
- ワタリガニなど反応が出た食材は避ける
- 調理法によって症状が変わる食材は医師に相談の上で摂取可否を決める
- 初めての食材は少量から試し、体調の変化を観察する
- 症状が頻繁に出る場合はアレルギー検査を受ける
食物日記をつけて「どの食材・どの調理法で反応が出たか」を記録しておくと、医師に相談する際に非常に役立ちます。
まとめ
蟹や茄子のように同じ食材でも「種類」や「調理方法」によってアレルギーの有無が変わることはあります。しかし妊娠中は特に慎重さが求められるため、自己判断せず医師に相談し、必要ならアレルギー検査を受けるのが安心です。安全に食事を楽しむために、体のサインを見逃さず上手に向き合っていきましょう。
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