大腿骨骨幹部骨折後に髄内釘固定術を受けた患者において、リハビリテーションや運動療法を進める際に禁忌となる肢位(ポジショニング)がいくつかあります。本記事では、禁忌肢位とその理由について解説します。
髄内釘固定術後の禁忌肢位
髄内釘固定術後の患者においては、特定の肢位が禁忌とされています。これらの肢位は、骨癒合を妨げる可能性があるため、特に注意が必要です。一般的な禁忌肢位は以下の通りです。
- 膝の屈曲(90度以上): 膝を90度以上に屈曲させることは、骨折部位に過剰な力をかけ、固定した髄内釘にストレスを与える可能性があるため、禁忌とされています。
- 股関節の内旋: 内旋のポジションは、骨癒合に悪影響を及ぼす可能性があり、特に手術後の初期段階ではこの肢位を避ける必要があります。
- 大腿部の外転(大きな角度で脚を開く): 大腿骨に不安定な力を加える可能性があり、リスクを増大させるため、この姿勢は避けるべきです。
リハビリテーションにおける注意点
リハビリテーションを行う際、患者の状態に応じて適切なポジションを選ぶことが重要です。特に髄内釘固定術後のリハビリでは、禁忌肢位を避けることが、早期回復を助ける大きな要因となります。患者の状態を観察し、進行具合に合わせて安全な運動やエクササイズを進めることが求められます。
また、患者の痛みや不安を軽減するために、物理療法や温熱療法を組み合わせることも有効です。
禁忌肢位を避けるためのポイント
禁忌肢位を避けるためには、まず患者に対して適切な教育を行い、リハビリテーションの実施時に常に正しい姿勢を維持するように指導することが大切です。また、必要に応じて専門の理学療法士が指導し、誤った姿勢を防ぐための補助具やサポートを使用することも考慮するべきです。
患者自身が自宅でリハビリを行う場合、禁忌肢位を避けるための意識づけや、使用する器具が正しく調整されていることを確認することが必要です。
骨癒合を促進するために
骨癒合を促進するためには、適切な休息と食事が重要です。カルシウムやビタミンDなど、骨の健康をサポートする栄養素を積極的に摂取することが勧められます。また、リハビリテーションの進行に合わせて、無理なく体重をかける運動を行うことも大切です。
早期の骨癒合を促すためには、医師の指示に従い、負荷を徐々にかけることが最も効果的です。
まとめ
髄内釘固定術後は、禁忌肢位に注意し、適切な姿勢を保ちながらリハビリを行うことが、回復の鍵となります。リハビリ中に禁忌肢位を避けることで、骨癒合を促進し、術後の早期回復を実現することができます。患者個々の状況に応じた適切な指導とサポートを行うことが重要です。
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