歯の神経を取った後、漂白や清掃をしても痛みを感じることがあります。「神経がないのに痛むのは正常なのか?」「治療が不十分なのでは?」と疑問に思う方も多いでしょう。本記事では、神経を取った歯の痛みの原因や適切な対処法について解説します。
神経を取った歯が痛む原因
通常、神経を除去すると痛みを感じることは少なくなりますが、以下のような理由で痛みが出ることがあります。
① 歯根膜の炎症
神経を取った後でも、歯の周りには歯根膜という組織が残っています。この歯根膜が炎症を起こすと、噛んだときや触れたときに痛みを感じることがあります。
- 根管治療の影響で一時的に炎症が起こる
- 噛み合わせのバランスが崩れて負担がかかる
- 漂白剤の影響で歯根膜が刺激を受ける
通常、この痛みは数日から1週間程度で軽減しますが、長引く場合は歯科医に相談しましょう。
② 根管内の細菌感染
神経を取った後でも、歯の内部に細菌が入り込むと炎症が起こり、痛みの原因となります。
- 根管治療が不完全で細菌が残っている
- 再感染により歯の根の先に膿がたまる
- 漂白処置で内部の組織が刺激を受けた
この場合、再根管治療(感染部分を取り除く処置)が必要になることがあります。
③ 噛み合わせの問題
神経を取った歯はもろくなりやすく、噛み合わせの変化によって痛みを感じることがあります。
- 歯が沈み込むことで周囲の歯とのバランスが崩れる
- 歯ぎしりや食いしばりによる負担
- 詰め物や被せ物の高さが合っていない
噛むたびに痛みを感じる場合は、歯科で噛み合わせ調整をしてもらいましょう。
④ 漂白剤による刺激
神経を取った歯の漂白には内部漂白(ウォーキングブリーチ)が行われることがありますが、この際に漂白剤が歯の根に影響を与えることがあります。
- 歯の内部に薬剤がしみ込んで刺激を与える
- 一時的な知覚過敏のような症状が出る
- 漂白後の清掃による摩擦で歯根膜が敏感になる
この場合、時間とともに痛みは和らぐことが多いですが、痛みが強い場合は歯科医に相談してください。
痛みを和らげるための対処法
痛みを軽減するために、以下の方法を試してみてください。
① しばらく様子を見る
治療後の軽い痛みは通常1週間程度で軽減します。痛みが増す場合や長引く場合は、歯科医の診察を受けましょう。
② 噛み合わせをチェックする
痛みが続く場合は、噛み合わせのバランスが悪い可能性があります。違和感がある場合は、歯科医で調整してもらいましょう。
③ 抗炎症作用のある薬を使用する
一時的な炎症による痛みには、市販の鎮痛剤(イブプロフェンやロキソニン)が有効です。ただし、痛みが続く場合は歯科医の診察を受けましょう。
④ 歯を過度に刺激しない
漂白後の歯は刺激に敏感になりやすいため、以下の点に注意しましょう。
- 硬いものを避ける(ナッツ、氷、フランスパンなど)
- 冷たい飲み物を控える(知覚過敏を防ぐ)
- 歯磨きはやさしく行い、電動歯ブラシの使用を控える
⑤ 再感染の可能性をチェック
痛みが1週間以上続く場合や腫れや違和感がある場合は、根管内の感染が疑われます。歯科医に相談し、必要に応じてレントゲン検査を受けましょう。
まとめ
神経を取った歯でも、痛みを感じることは珍しくありません。主な原因として、歯根膜の炎症、根管の感染、噛み合わせの問題、漂白剤の影響が考えられます。
- 治療後の軽い痛みは1週間程度で落ち着くことが多い
- 噛み合わせが合っているか歯科医にチェックしてもらう
- 痛みが長引く場合は再感染の可能性があるため、早めに受診
- 硬いものを避け、刺激を与えないようにする
もし1週間以上経っても痛みが続く場合は、治療が不完全な可能性もあるため、早めに歯科医に相談しましょう。
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